ぼんやり帖

ぼんやりと過ぎていく日々の見たもの聞いたもの読んだものを,書き留めておこうかなあという備忘録。

食べたい!

空想キッチン! (ナレッジエンタ読本 (5))「空想キッチン」(ケンタロウ・柳田理科雄/メディアファクトリー)
このインパクトのある表紙に魅かれました!
人気アニメに出てくる料理を,実際に作って食べるという,あほくさい(笑)企画本です。
作るのはなんと,料理家のケンタロウさん,食べるのは「空想科学読本」の柳田理科雄さん。
料理のラインナップも,「ギャートルズのマンモスの骨付き肉」だの「ハイジのチーズをのせたパン」だの「ルパン三世のミートボールスパゲティ」」だの,痒い所に手が届くような,なんとも心憎く,「さすが分かってらっしゃる!」セレクション。そう,アニメに出る食べ物っておいしそうなんだよね〜。
ちなみに,本の表紙の写真はもちろん,「日本昔ばなしの大盛りご飯」です。
実際,ケンタロウさんの腕がどこまで発揮できるのかできないんだか,そもそもそれは料理なのかすら分からないものもありますが,こんな企画をあくまでも真面目に食物学の見地から,そしてある時は科学的に検証してるのがおかしい。(笑)

ところで,「自炊の神様」が降りて来た時に,発作的に料理本なども買ってしまって,結局活用されずに台所の肥やしになっているのですが,そんな中でも,一番私にぴったりくるのは,ケンタロウさんのお母さんの小林カツ代さんの本です。なにせ大雑把なところがいい!

昭和の子どもでした。

ランドセルしょって。「ランドセルしょって。」(k.m.p./メディアファクトリー)
ムラマツエリコさんとなかがわみどりさんの二人組ユニットk.m.pのイラストエッセイ本。
ランドセルをしょっていた頃の,もう忘れていた日々のヒトコマヒトコマが,記憶の奥底からよみがえる。
ああ,こんな事考えてたなあ〜,こんな事もしてた。分かる分かる。
ぺロティチョコは,先に絵の部分を舐めて,無地にしてしまうとか,蚊取線香の灰がつまめそうでつまめないとか,学校から家まで,線を引いて帰る”決まり”とか。
思い出というのは,反芻することで強まるので,思い出さない記憶は,当然の事ながら,そのまま忘却の彼方になってしまう。なにか非日常な事件やイベントなら,印象が強いので忘れませんが,なんてことない毎日は,そのまま過ぎ去って思い出す事もない。なので,年を取るごとに,もうだんだんと,子どもの頃の記憶の場面は数パターンに決まってきちゃってます。
でも,この本でもう忘れていたあの頃が,浮かび上がってきました。こういう,日常のヒトコマが,その時は日常だからこそ忘れてしまいがちで,でも,本当に懐かしいんですよね。
あの頃は,1年間が長かったよなあー。小学校の6年間は本当に長くて,小学生じゃない自分なんて想像できなかった。だって,その時点での人生のほとんどが,小学生だったんだもんねえ。

楽しきわが家―少女スタイルBOOK (らんぷの本)   少女スタイル手帖 (ランプの本)
「楽しき我が家」「少女スタイル手帖」(宇山あゆみ/河出書房新社)
記憶の奥底から,子どもだった頃を思い出させる本としては,これもかなり来ます!
昭和30年代〜40年代の,キャラクター雑貨や人形や,女の子が宝物にしていたようなおもちゃのアルバム。
年代的にジャストミートなので,「これ持ってた,こんなのあったな〜」と,ページをめくるたびに,なにやら切なくなります。リカちゃんの白い家具シリーズのダイニングキッチン,バレリーナ付きのオルゴール,リリアンにイチゴの付いたピン留め。
なつかしうさぎ特に,おなかの底にぎゅっと来るくらい懐かしかったのは,このウサギのキャラクター。うちにもありました。お弁当箱じゃなくて,お風呂の手桶と枕カバーだったか・・・。枕カバーの方は,このウサギが赤いリンゴと青いリンゴを持っていて,母がそれを元にお話を作って寝る前に話してくれたっけ。思えば,あの頃の母は私よりずっとずっと若かったんだよなあ・・・。

それにしても,実家というのはえらい物持ちが良かったりするので,この本で昭和の懐かしい雑貨として紹介されているものでも,今だに現役で使われてたり,食器棚や母の鏡台にしまわれていたりして,驚くぜ!

読んだ本

新・夢十夜「新・夢十夜」(芦原すなお/創元推理文庫)
漱石の「夢十夜」に触発されて書いたという,十夜の夢物語。
聞かされて面白くない話として,「人の夢の話」があると言いますが,確かに,非論理的だし,オチはないし,本人以外には興味のあるものでもない。
その夢を見た本人は,目覚めた時には「これはそのまま小説やマンガになるのでは・・・!」と思ったりなんかしますが,たいがい,クリアな頭で文章に書きおこしてみたりすると,全然使えなかったりして・・・
この短編集は,そういう,つじつまの合わない奇妙な夢の世界が表現されつつ,きちんと起承転結のある掌編になっているというか。作者が本当に見た夢も含まれているのかな。
本当は,一気読みせずに,ゆっくり一編ずつ寝る前にでも読むのが,この本の正しい味わい方でしょう。

そういえば,最近,面白い夢って見てないなあ〜。
ところで,フロイトの夢判断って,本当に当たっているのかしら?
なんでもかんでもマザコンにされるらしいですが。

じっと手を見る

まんねん貧乏「まんねん貧乏」(徳能史子/ポプラ社)
イラストエッセイ本が結構好きなので,いろいろ読んでます。これは再読。
新刊時,「年収15万円。なんとかしのいでいます。」という帯が巻いてあって,「ど,どうやって!?」と思ったら,ちゃんとダンナさんがいて,家賃などは彼が払っているのだった。なんだ。そういえば,TVの「1ヶ月1万円生活」だって,家賃や高熱水費の基本料金は入ってないよねえ・・・。
自分の工夫で生活を楽しむ様子がラブリー。こういう人とお友達になりたい。

仕事をしないと時間はあるけどお金はないし,仕事をするとお金はあっても時間がないし。(お金も時間もあるという人もいるんでしょうが。)長時間労働が当たり前の,ニッポンの二者択一。
作者も三食昼寝付きの生活から重い腰を上げ,明日の米のために,バイトを探し始めるのだった!
「学生だった頃を思い出せ。あの頃は学校行って,バイトやって,その後絵を描いていたじゃないか。オリンピック選手や受験生やOLさんや,毎日頑張っている人を少しは見習いなさい!」
・・・立派だわ・・・。私は,生来怠け者で,クラブ活動もろくにしない怠惰な学生だったので,逆にあの頃,朝8時半から夜9時10時まで仕事しろ,なんて言われたら「えー,私には無理!向いてない!」とか言ってたに違いない。
自己管理能力もないので,仕事しなくてすむんだったら,朝から晩まで惰眠を貪っているだろうから,無理やりにでも働いててよかったんかも。まあ,誰も養ってくれないので,選択肢はないんですが〜(^^;
もし両親が困った時のためにも,定期収入は必要だしなあ…。(と,偉そうな事を言って,今現在,一銭の仕送りもしていないけど…)
3億円当たったら考えようっと!

読んだ本

少年トレチア「少年トレチア」(津原泰水/集英社文庫)
津原泰水さん追っかけ3冊目。
新刊の頃,萩尾望都さんが表紙と解説を書いているのにつられて,買っていたもの。かれこれ2年以上積ん読だったぜ!

これまた,前に読んだ「ルピナス探偵団」とも,「蘆屋家の崩壊」とも,全然違う。こんなに作品ごとにイメージが違う人もすごい。しかも,どれもただ事ではない筆力。
この作品は・・・痛い痛い痛い痛いよううう〜。虐殺シーンがものすごく痛い!文章が上手いと,情景が浮かびすぎるよう。
うう,痛い描写には弱いので,これを一番に読んでいたら,他の本にはもう手が伸びなかったかも・・・。
とても入り組んだ世界。無機質で巨大な新興団地,奇妙な都市伝説「トレチア」,閉じた子どもの集団,人工湖にひっそりと生息する怪魚,不気味な地盤沈下。物語はあちこち視点を変えて進んでいく。
作中で出てくる社会現象や固有名詞が変にもじったりせず,実際の物なのも,世界観を複雑にしている。(NHKの野村アナは「神経質な顔」と言われていた〜。)
こういう,モザイクのような世界が一つ一つピースがはまっていき,ラストに一気に崩壊する・・・という展開は,確かに萩尾望都さんの作品世界に近いかも。
ただ,私にはちょっと,この作品は強すぎて,悪酔いしそうでしたが。。。

萩尾望都さんの解説が,作中人物の座談会という変わった趣向のものだったんですが,いや,言いえて妙というか,かゆいところに手が届くというか。この込み入った作品をよく解きほぐしてくれました!お見事!
本当に,悪酔いしそうな小説だったので(それだけ力があるという事ですが),清涼剤になりました。
全て因果応報。助かるべき人は助かっているのに,改めて気が付いたり。

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Author:はんちゃん
重度活字中毒者
積ん読に追われている。

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